Kenkichi Yunoki(Sakai-City,Osaka,Japan)(250mm SCT)
2002/08/05 19h39m(UT) / Bailly(バイイ) / colongitude= 237.28
2002/08/05  19:39:08(UT)
250mm(F10) Meade SCT   Pentax XP24
Nikon COOLPIX 995   ISO400   1/3s
Seeing 7/10   Trans 4/5
Kenkichi Yunoki (Sakai City Japan)
バイイ
月縁に近いため秤動により見え方が異なり、加えて簡易な月面図では形がよく描かれていない。
若い頃初めて探したときは望遠鏡がお粗末なこともあり同定に確信が持てなかった記憶がある。
先日、市民観望会で満月直前であったためバイイがちょうどターミネーター部にきていてよく見えていた。
簡易な月面図は予め渡していたが、あれは何というクレーターかと尋ねられた。
月面図とはかなり違って見えたからである。
月の東縁に比べ、西縁にあるクレーターは何か地の果てというイメージがつきまとい、荒涼とした寂しさを感じるのは私だけなのだろうか。
バイイ内部は中央部が盛り上がって見えて複雑な様相を呈していて、鬼か魔物でも住んでいるのではないかといった恐ろしさがある。
以前から新月前の西縁の地域の撮像をしたかったのだが、ベランダに据えてある赤道儀からは屋根が邪魔して天頂以東は見えないので撮像出来なかった。
東が見える庭の一角に別の赤道儀を据え付けたのでやっと撮像出来るようになった。
ただ、高度も低い早朝の時しか撮像出来ないため、朝に弱い私には解像度の良い画像を得るチャンスはなかなかない。
西縁の山岳部の地形はオリエンタレベイズンの出来たときの衝撃や放出物による影響を少なからず受けていることが探査機からの画像で判ったが、オリエンタレベイズンが地球面側の中央部にでもあったなら、クレーターの成因に火山説はとなえられなかったのではないかとも思う。
オリエンタレベイズンの上空からの探査機画像はとても衝撃的であった。バイイの中央から南によった所に直線状の谷が見えるが、これもその際の影響によるものなのだろうか。
月を望遠鏡で見るとき、その地形の成因の歴史に様々想像を巡らしながらながめていると時を忘れてしまう。
素人であるため何の役にも立たない勝手な想像でしかないが。
[柚木健吉]
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