Kenkichi Yunoki(Sakai-City,Osaka,Japan)(250mm SCT)
2002/08/04 19h41m(UT) / Schickard & Wargentin(シッカルトとワルゲンチン) / colongitude= 225.05
2002/08/04 19:41:46(UT) Schickard & Wargentin(シッカルトとワルゲンチン)
250mm(F10) SCT   Pentax XP24
Nikon COOLPIX 995   ISO800   1/22s
Seeing 8/10   Trans 3/5
Kenkichi Yunoki (Sakai City Japan)
シッカルト
月齢13あたりになってシッカルトが見え始めるともうすぐ満月だなと思うと同時に数日は月面観望はつまらなくなるなとちょっとがっかりする。
シッカルトは何か間抜けなイメージがつきまとう。
馬面かワラジのようでしまりが感じられない。クレーター内部の南北に暗い地域がある。
暗い地域の方が中央部の明るい地域に比べてクレーター密度が少ないので、中央部の明るい地域の方が古いのではないかともおもう。
写真に撮ると満月前の方が新月前 よりもクレーター底面の明暗のコントラストがつきやすい。
新月前の下弦の月では高度も低くなかなかよい画像は得にくい。
馬面もOrbiterが真上から撮った画像ではイメージが一変する。典型的な円形のWalled Plainである。
クレーターなのだから円形が当然なのだが、シッカルトは私の中ではあくまでも中野氏の本の中にあるアビネリの秀逸なスケッチのイメージを拭えない。
ワルゲンチン
クレーターは凹んでいるのが一般的であるが、ワルゲンチンだけは例外で盛り上がっていて木の切り株の如き様相を呈する。
望遠鏡で見ても、立体視の写真が平行法と寄り目法を間違えたときのような不思議な感じがつきまとう。
昔、底面からわき出た溶岩で満ちたものと思っていたが、白尾氏の「月面ガイド」の中の説明ではオリエンタルベイズンからの放出物で埋められたのかもしれないとの目から鱗なみの記述があった。
私如きもの単なる観望屋が地質の専門家である白尾氏の見解に対してコメントを書くのは畏れ多いことだが、望遠鏡でじっくり見てもどうしてここだけに放出物がこのようにうまく堆積したのかとも考え込んでしまう。
[柚木健吉]
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