Kenkichi Yunoki(Sakai-City,Osaka,Japan)(200mm newtonian)
2002/07/30 19h44m(UT) / Vallis Alpes(アルプス谷) / colongitude= 163.94
19:44:02(UT) Vallis Alpes(アルプス谷)
200mm(F7) Newtonian   Pentax XP14
Nikon COOLPIX 995   ISO100   1/4s
Seeing 9/10   Trans 4/5
アルプス谷そのものの確認は小望遠鏡でもひっかき傷のように見えて難しくない。
しかし、谷底にあるうねうねとした細い谷を検出するのは中口径以上の望遠鏡でもシーイングが良くなければ結構難しい。
水が流れたような形状だが、月面に水が流れたとは考えられないので溶岩の流れに由来するのではないかと思える。
アルプス谷を挟んで谷底とよく似た暗めの地域が見られるため、この辺りは溶岩の流出があったのかも知れず、アルプス谷の底を流れていったのかもしれないし、溶岩トンネルの陥没なのかも知れない。
アルプス山脈は無数の突起状ピークの集合体で、地球上の山脈とはやや異なるようだ。
褶曲や隆起によるものではなさそうで、雨の海をつくったインブリウムベイズンの外周が溶岩で埋もれていった際、高い部分が取り残されたかのように見える。
プラトーの東部もよく見ると溶岩流由来と思える谷が幾条か見られるが、雨の海の溶岩が氷の海の方に流れていったようにも思える。
氷の海とは良く名付けたもので、言葉からイメージが喚起されるのは人間の宿命だが、見ていると寒々としてくるのは私だけであろうか。
NASAの高解像の画像では違った解析が出来るのかも知れないが、私のようなアマチュア観望屋がベランダの望遠鏡で見た印象と、撮像した画像からの勝手な解釈をまたまた書いてしまいました。
[柚木健吉]
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